
【逃げ恥】恋ダンスから読み解く踊ってみたの著作権について解説!
みなさんこんにちは。ぷろです。
夏も終わり、そろそろ秋の景色を楽しむ時期でしょうか。
今回は、一時期大流行りした『恋ダンス』から読み解く、振り付けの著作権について解説していきます。踊ってみたを投稿している人は誰しもがつまづくであろう著作権の話題ですよ!
実はこの点について、賛否両論あって未だ明確な基準があるわけではないのです。今回は少々独自の見解を踏まえつつ、解説していきます。
そもそも恋ダンスって?
そもそもみなさん、恋ダンスについてはご存知でしょうか?
星野源さん主演の2016年10月〜12月放送『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌として親しまれた、『恋』のダンスです!
みなさんも一度は聞いたり見たりしたことがあるのではないでしょうか?当時社会現象ともいえる程ブームが沸き起こりました。
ドラマ自体が面白くて人気が出たというのもありますが、ガッキーや星野源といった出演者のダンスがドラマEDに起用され、多くのファンが真似をしたことで流行ったんですね。
それでは『恋ダンス』に関する知識を手に入れたとこで、著作権について詳しく見ていきましょう。
2)恋ダンスから読み解く踊ってみたの著作権について
このブログでは、”踊ってみた”をする踊り手さん向けにダンスについて様々な観点からお役立ちしていきますが、今回は踊ってみたに限らず”ダンス全般”に関わる内容となっていきます。
踊ってみたを躊躇なく投稿することも素敵ですが、その動画は多くの人の努力によって成り立っているということを忘れないでください。
それでは一つ一つ読み解いていきましょう!
2-1)振り付けにもちゃんと著作権がある!
著作権について考える前に前提として把握しておきたいことがあります。それは『恋ダンス』には2つの考えるべき著作権が存在する、ということです。
- 『恋』という楽曲についての著作権
- 『恋ダンス』の振り付けについての著作権
よく議論されるのは、1の楽曲についてです。あまり2の振り付けについては議論されません。というより、意識されないといった表現の方が正しいかもしれませんね。
今回解説したいのは振り付けについての著作権です。
2-2)恋ダンス振り付けのMIKIKO先生
それでは恋ダンスの振り付けについてですが、MIKIKO先生はご存知でしょうか?
Come and see our show at NYC and San Francisco! Rhizomatiks Research × ELEVENPLAY × Kyle McDonald ‘discrete figures 2019’ performance @NewYorkLiveArts on May 8-11 and @GrayAreaorg on May17-18. More info https://t.co/VKVa5deBZ3 https://t.co/7usBkvxTH8 pic.twitter.com/CfMX65eG6Q
— MIKIKO先生 (@mikiko_san) May 3, 2019
MIKIKO先生は国内外で幅広く活躍されているダンサー兼振付師で、ダンスカンパニー「ELEVENPLAY」の主宰でもあります。
空間を色づけ、まるで音が見えてくるような振付
『五感に響く作品作り』がモットー
引用:https://www.mikiko0811.net/#profile オフィシャルサイト
メディアアーティストとしても活躍されており、まさに表現の可能性を引き上げている一人者と言えるでしょう。
MIKIKOさんは今回の『恋ダンス』振り付けについて、
「すごく難しい。プロのダンサー用に付けた振りをドラマのキャストが踊ってくれているんです」「ダンスの大事なところは、身体の動きをそろえるだけでなく、心をそろえること。“逃げ恥”の時も、出演者キャストの方々が熱心に練習してくれて、キャスト・スタッフの皆さまの気持ちが一つになって、ああいうダンスができあがったのだと思います」
引用:https://www.oricon.co.jp/special/50014/ ORICON NEWS 2016年『第4回 全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール』での発言
このように仰っています。 プロのダンサー用に創作し、それをドラマのキャストが一体となって踊っていくという壮大なストーリーがあったんですね。
2-3)星野源所属のレコード会社から削除依頼
訴えじゃないけど「恋ダンス」の一件は権利元の権利行使というモデルとしてわかりやすかった
— 青鷹@治に居て乱を忘れず (@_AOTAKA_) February 13, 2019
ドラマ放送中は音源使用して90秒程度のダンスをUPしてもOKにするよ
↓
好評だから放送終了後も許可期間延長するよ
↓
期間過ぎたら動画は著作権法に基づいて削除手続きするよ(その前に自分で消してね)
という訳で、本題に入ります。
実は今回の話題、星野源所属のレコード『SPEEDSTAR RECORDS』が、意外な対応を取っているんです。
いつも星野源を応援いただき、ありがとうございます。
星野源の新曲「恋」に合わせて踊る“恋ダンス”について、
「“恋ダンス”をYouTubeに公開したいのですが、楽曲使用について問題はないでしょうか?」
というようなお問い合わせをたくさんのお客様よりいただいております。
すでに多くの皆様が“恋ダンス”を楽しんでいらっしゃる現状を考慮のうえ、
CDや配信で購入いただいた音源を使用し、ドラマエンディングと同様の90秒程度の“恋ダンス”動画を
ドラマ放送期間中にYouTubeに公開することに対し、弊社から動画削除の手続きをすることはございません。
但し、この音源を使った動画を営利目的に利用する等、その利用方法が不適切であると判断したものに関しては、
予告なく削除手続きを行う可能性もございますので予めご了承ください。
皆さま個人個人がルールを守って、楽しんでいただければと思います。
引き続き星野源の応援をよろしくお願いいたします。
引用:SPEEDSTAR RECORDS https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A023121.html?article=news132#news132
つまり、ドラマ放送中は動画サイトに投稿して良いけどそれ以降は削除していくね、といった文脈ですね。
もちろん、営利目的は×です。(無意識にやってるかもしれませんが、恋ダンス投稿してそれに広告貼るのも営利目的ですよ)
ただ、こちらの対応には賛否両論あります。
というのも、ドラマ「逃げ恥」が大流行りした要因の一つに「恋ダンス」の流行があるんです。そして、恋ダンスをみんなが動画投稿サイトにアップしたことによって一気に日がついたとも言えるでしょう。
もちろんドラマ自体の面白さが視聴率に直結してる面は否めませんが、主題歌や踊りもコンテンツの一部です。これを”ドラマ期間中だけ”拡散してOKというのは、あからさまに宣伝目的とみられてしまうんですね。
もちろん集客の一環としてこのような声明を出したのでしょうが、ドラマ放送後も純粋に「恋ダンスを楽しんでみてもらいたい!」といった欲求を持つ方はいるでしょう。そういった声に応えられないのはどうなのか?って話です。
3)著作権ときちんと向き合ってみよう!
さて、ここまで様々な観点から恋ダンスをのぞいでみましたが、ここでもう一度「著作権」という言葉と向き合ってみましょう。
著作権(ちょさくけん、英語: copyright、コピーライト)は、知的財産権(知的所有権)の一種であり、美術、音楽、文芸、学術など作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利である。
引用:Wikipedia
普段生活していると気づきにくいですが、実は著作権の対象って広いんですね!!このブログにもありますが、⇩の方をスクロールしてみてみてください。copyrightってありますよね。これは当ブログは著作物ですよーてことを意味してるんです。なのでこの文章にも著作権が僕に付与されています。
あなたの普段作成する文章にも著作権があります。Tweetにもです。
”言葉”は最も身近な表現ツールですからね。
3-1)著作権の目的(個人的な主観あり)
さてそんな著作権の目的ですが、著作権がしっかり管理されないと著作者にその対価が支払われない仕組みになってしまうという点があります。
今回の例ですと、MIKIKOさんの振り付けした恋ダンスを、ぷろが「僕が振り付けしましたー!」といってSNSで拡散したら、ぷろに使用料がきてしまうかもしれません。それではMIKIKOさんの時間と労力が無駄になってしまいますよね。
著作者は、著作権制度によって著作物の利用者から使用料を得ることができます。 その報酬をもとにして、また新しい著作物を生み出します。
私たちは著作物を利用したり楽しむことによって、文化的に豊かな生活をおくることができ、その結果、文化が発展するという大きな流れを生み出しています。
引用:みんなのための著作権教室 http://kids.cric.or.jp/intro/01.html
こういった制度がないと、芸術が商品として成り立たなくなってしまうんです。面倒臭い制度ではありますが、必要不可欠と言えます。
ぷろ個人の意見としては、アーティストによって捉え方が違うなーという印象です。
というのも、拡散されて多くの人にみてもらうことで目的を達成できるアーティストも多いと思うんです。
だからむしろ「著作権とかいいからどんどん拡散して!!」みたいな。
それぞれ思いが違うので、だからこそ、この法律はもっとみんなに認知され、適切かつ柔軟に利用されるべき法律と言えるでしょう。
3-2)恋ダンスはどの著作権に該当するのか?
さて結論ですが、恋ダンスの投稿は著作権法上の公衆送信権(23条)の侵害に当たります。
「舞踏」(10条1項3号)に該当して著作物といえるか
そのため、恋ダンスを踊って、公衆に見せることを目的として無断でその動画をネットにアップロードすることは、権利者の許可を受ける必要があります。
引用:http://blog.tplo.jp/archives/49110824.html
とはいったものの、レコード会社の声明が曖昧だった(予告なく削除手続きを行う可能性もございますといった表現は曖昧)ので法律家の間では「結局許可したの!?してないの!?」といった疑問が残り続けているといった感じです。
この手の議論でよくある”暗黙の了解として見なされている状況”ですね。
まとめ:恋ダンスの無断転載はグレー。著作権は常に意識しよう!
今回の議論ですが、はっきりとした結論は出ませんでした。
しかし法律上、著作物の無断転載は権利侵害に繋がることになります。やめましょう。
一つ伝えたいのは、最も重要なのは著作者の気持ちを考えるということです。
著作権違反だー!ルールに則っていないー!と、何も考えずに否定する論者よりも、きちんと理屈で判断して「これは〜さんの作品の為にならないから、SNS投稿はやめておこう」といった判断ができるようになるといいですね。
法律は手段です。皆さんも著作権はなぜ存在するのか?深く考えてみましょう。
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